問題〔1〕
次の「論説文」にあたる文章を読んでみて下さい。
| 人間はひとくきの葦(あし)にすぎない。自然のうちで最も弱いものである。だが@それは考える葦である。彼を押しつぶすのは、全宇宙が武装するに及ばない。一吹きの蒸気、aイッテキの氷だけで、A彼を殺すのに十分である。〔 A 〕、宇宙が彼を押しつぶしても、人間は、人間を殺すよりもいっそうb高貴であろう。〔 B 〕人間は自分が死ぬことを、宇宙が人間を超えていることを知っているが、宇宙はそうしたことを何も知らないからである。 そうだとすれば、われわれのあらゆるcソンゲンは、d思考のうちにある。われわれが立ち上がらなければならないのは、Bそこからであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく〔 C 〕ようつとめよう。これこそC道徳の本源である。 |
問1.a〜dのカタカナは漢字に、漢字はひらがなに直しなさい。
a、イッテキ→〔 〕 b、高貴→〔 〕
c、ソンゲン→〔 〕 d、思考→〔 〕
問2.傍線部@〜Bの指示語は何をさすか。本文中の語を使ってそれぞれ答えなさい。
@〔 〕 A〔 〕 B〔 〕
問3.空欄〔 A 〕 〔 B 〕に入る接続詞を、次の中から選び、記号で答えなさい。
ア、なぜなら イ、だから ウ、しかし エ、たとえば
A→〔 〕 B→〔 〕
問4.空欄〔 C 〕に入る言葉を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。→〔 〕
ア、理解する イ、考える ウ、知る エ、学ぶ
問5.傍線部D「道徳の本源」とはどういうことをいうのか。次の中から最も適当なものを一つ選び、記号で答えなさい。 →〔 〕
ア、人間は、自分たちが自然のうちで最も弱い生き物の一つであるということを知っている。
イ、人が自然や宇宙よりも高貴であるということを、われわれはもっと自覚すべきである。
ウ、人が人として尊い存在であるために、最も根本的に必要なことは、思考することである。
エ、人間という尊い存在が、自然や宇宙に打ち勝つために、今こそ立ち上がらなければならない。
オ、弱い存在であるはずの人間が、空間や時間から物事を理解するのには、無理がありすぎる。
| 解 答 | 解 説 |
| 問1. a、一滴 b、こうき c、尊厳 d、しこう |
この漢字の読み・書きは、漢字検定3級までのレベルです。 高校入試にも、だいたいこのレベルの漢字が出ます。 むずかしかった人は、「漢字のなぞ」を見直して、まず漢字に親しみを持てるようになってください。 また、「漢字検定をめざして」の勉強をすれば、資格も取れて一石二鳥ですよ。 |
| 問2. @人間 A人間 B思考 |
指示語の問題です。 指示語(しじご)とは「これ」「それ」「彼」「ここ」などの、そこにあるものや文脈上の要素を指し示す語のことです。 基本的には、すぐ直前を見ればわかります。 複雑なものになると、直前のそのキーワードも指示語だったりするので、けっこう訓練が必要です。 @は、直前の省略された主語、Aは、直前の「彼」の指示内容、Bは基本的な直前のキーワードです。 ※指示語の練習をしたい人は→指示語研究室参照 |
| 問3. A→ウ B→ア |
接続語の問題です。 接続詞とは、文と文、語と語をつなげる役割の言葉。 空欄の前後の内容をよく見て考えましょう。 〔A〕の直前・直後の文をよく見比べると、全く正反対の内容になっていますね。だからAには、逆接の「しかし」が入ります。 〔B〕は、つながりでも判断できますが、B直後の文の中に、「…から」という語が出てきます。「なぜなら…から」は、セットで覚えておくと便利です。 接続詞で最も重要なのは、「しかし」「だが」などの逆接! 逆接のあとには、筆者の主張がくることが多いのです。 「ぼくは短足だが、足が速い!」 「ぼくは足が速いが、短足だ!」 逆接「…が」のあとにくる内容(下線文)のほうが、筆者はより強く言いたいのがわかると思います。 問題文中に、逆接の接続詞が出てきたら、その一文は要チェックです!! |
| 問4.イ |
「だから…」という順接ではじまった一文。筆者の言いたかった本文の内容(主張)が凝縮された一文だといっていいでしょう。 ということは、「筆者が言いたかったことは何か」を考えれば、空欄に入る言葉は、だいたい予想がつきます。 キーワード「思考」をもとに考えればよいのです。 |
| 問5.ウ |
選択肢問題です。 「道徳の本源とは、あなたは何だと思いますか?」と聞いているのではありませんよ! 筆者の主張は何かを聞いているのですよ! 手順は次のとおり! 1.傍線部の言葉の意味を理解する。 「道徳」…人のふみ行うべき道。 「本源」…最も根本的なもの。 2.選択肢を検討する。 アは、ズレ選択肢。合っているように見えますが、 「道徳の本源」とはズレています。 イは、ウソ選択肢。「自覚」とか書いてないし、 「弱いことを知っているのが高貴である」という 筆者の主張も見えてきません。 エは、スギ選択肢。「今こそ…」なんて大げさ。 3.あと、ウとオが残るわけですが、最後にもう一度本文と傍線部を読み返して、考えましょう。 筆者は「道徳の本源」は何だ!と言っているのですか? オは、本文どおりですが、傍線部の内容に合わない。 ウ、「人が人として尊い存在」=「道徳」 「最も根本的に必要なこと」=「本源」 「思考すること」=筆者の主張(キーワード)。 ウの中には、傍線部「道徳の本源」の説明も、 筆者の主張も、両方入っていますね。 |